gầu とは?
ベトナム語「ガウ」の意味・読み方
公開: 2026-10-20
「gầu」の意味
脂の多い牛の胸肉(ブリスケット)
gầu(ガウ)「ガウ↘」と、低めから静かに下げて伸ばす
gầu とは?ベトナム語「ガウ」の意味・読み方
フォー屋のメニューに「Phở gầu」とあったら、それは gầu(ガウ)という牛の部位を使ったフォーです。「Phở tái」「Phở chín」と同じ並びに書かれているので、肉の種類を選ぶ項目の一つだと分かります。日本語では「脂身付きバラ肉」「ブリスケット」と訳されがちですが、この訳がどこまで合っているかも含めて整理します。
この語の意味
Wiktionary は gầu を「牛の胸から取る、脂の多い部位」(a fatty cut of beef taken from a cow's chest)と定義しています。英語の brisket は牛の胸部の肉を指すので、「ブリスケット」という訳は部位の位置としては大きくずれていません。一方で、日本語の「バラ肉」は腹側の肉を指す語で、胸の肉とは別の部位です。したがって「脂身付きバラ肉」より、「脂の多い胸肉」と言ったほうが辞書の定義に近くなります。
ベトナム語版 Wikipedia のフォーの項には、作家タック・ラム(Thạch Lam)の文章が引かれていて、gầu を「thịt mỡ gầu giòn chứ không dai」、つまり脂身のあるサクッとした歯ごたえで、噛み切れない硬さではない肉として描いています。色は黄みがかっていると書かれた箇所もあります。この描写から、脂の層が目立つ部位だと分かります。
同じ綴りで、gàu の別綴りという別の語も辞書にあります。食事の場面では上記の牛肉のほうです。
発音のコツ
gầu はフエン声調(下げ)です。「ガウ↘」と低めから静かに下げて伸ばすと近い音になります。母音 ầ は日本語の「ア」より口を開かない曖昧な音で、そのあとに短く u が続きます。
北部(ハノイ)と南部(ホーチミン)の違い: Wiktionary の発音表記は、ハノイもサイゴンも [ɣəw˨˩] で同じです。語彙は南北共通で、旅行レベルでは差を気にする必要はありません。
どこで目にするか
メニューの具の列で見ます。「Phở gầu」「Phở tái gầu」のように、料理名のあとに部位が続きます。Wikipedia によれば、ホーチミン(サイゴン)のフォーは肉が chín、tái、nạm、gầu、gân の5種類で売られることが多く、gầu はその一つです。ハノイでも「bắp、nạm、gầu を tái や chín にして出す」と書かれています。
三つの部位の違いを短くまとめると、nạm は牛のともばら、gầu は胸の脂の多い肉、gân は腱です。
注文では、tái・chín といった火の通し方の指定とは別の系統として読みます。tái は肉の火の入れ方で、gầu・nạm・gân は部位です。メニューで「tái gầu」のように並んでいたら、「レアで、部位は gầu」という指定の組み合わせだと解釈できます。
関連語・一緒に出てくる語
| ベトナム語 | 読み | 意味 | 音声 |
|---|---|---|---|
| Phở gầu | フォー ガウ | 脂ののった胸肉のフォー | |
| nạm | ナム | 牛のバラ肉(ともばら) | |
| gân | ガン | 牛すじ(腱) | |
| tái | タイ | レアの肉(火を通しすぎない) | |
| Phở chín | フォー チン | よく火を通した牛肉のフォー | |
| Phở tái nạm | フォー タイ ナム | レアの肉とバラ肉のフォー |
ミニ会話例
よくある質問
Q. gầu は「ブリスケット」と訳して合っている? A. 部位の位置(牛の胸)は合っています。ただ、日本語の「バラ肉」とは別の部位なので、牛バラの一種と考えるとずれます。また、メニューの gầu が日本の焼肉でいう特定のカットと完全に一致するかは店の切り出し方次第です。
Q. 脂が苦手でも食べられる? A. 脂の多い部位なので、苦手なら nạm か tái から試すのが無難です。
Q. 発音で通じにくいところは? A. 声調より母音です。日本語の「ガウ」と平らに言うと、ầ の曖昧な母音が消えて gáu や gấu(熊)のように聞こえることがあります。フエン声調の低い響きを意識して、注文では「Phở gầu」と料理名と一緒に言うと誤解されにくくなります。