mắm tôm とは?
ベトナム語「マム トム」の意味・読み方

「mắm tôm」の意味

マムトム(エビ発酵ペースト)

mắm tôm(マム トム)「マ↗ム」とサック声調で一気に上げてから「トム→」を平らに保つ

mắm tôm とは?ベトナム語「マム トム」の意味・読み方

北部の食堂で、揚げ豆腐やゆで豚肉が並んだ木の盆の脇に、紫がかった小さな器がそっと置かれていたら、それは mắm tôm(マム トム)です。強い香りで賛否が分かれる調味料ですが、bún đậu という定番メニューには欠かせない存在で、北部の食文化を知るうえで避けて通れない一品です。

この語の意味

mắm はエビや魚を発酵させた調味料全般を指す語で、tôm は「エビ」。mắm tôm は文字どおり「エビの mắm」で、小エビを塩とともに数か月から1年ほど発酵させて作るペースト状(または半液状)の調味料です。Wiktionary によれば mắm と tôm を組み合わせた複合語で、Vietnamese Wikipedia の解説では、発酵の度合いによって固形・半固形・液状の3タイプに仕上がるとされています。強烈な香りの奥に、魚醤よりも濃厚な旨みと塩気があり、そのままではなく、ライムやレモンの搾り汁、砂糖、唐辛子を加えて泡立てるように混ぜてから使うのが一般的です。

高品質なものほど香りが穏やかになるとされ、南部のゴーコン(Gò Công)地方では「mắm tôm chà」 という、すり潰して練り上げた特産品が作られ、19世紀には宮廷への献上品にもなっていたと伝わります。

発音のコツ

mắm はサック声調(上げ)、tôm は声調記号のないンガン声調(平ら)です。「マ↗ム」と一気に上げてから、「トム→」を高さを変えずまっすぐ伸ばすのがコツ。Wiktionary の発音表記ではハノイが [mam˧˦ tom˧˧]、サイゴンが [mam˦˥ tom˧˧] で、南部のほうが mắm の上げ幅がやや大きくなる程度の違いです。

北部(ハノイ)と南部(ホーチミン)の違い: 発音のコントラストそのものは共通です。違いが大きいのは使われ方で、北部では bún đậu mắm tôm や thịt luộc(ゆで肉)、bún riêu、bún thanh trì など日常の食卓に mắm tôm がそのまま添えられるのに対し、南部では卓上調味料として出されることは少なく、料理の下ごしらえに使う脇役という位置づけです。前述の「mắm tôm chà」は南部の名産ですが、これは特別な保存食で、北部のように毎日の食卓に生の mắm tôm が並ぶわけではありません。

どこで目にするか

看板やメニューでは「Bún Đậu Mắm Tôm」と大きく書かれ、揚げ豆腐・ゆで豚肉・チャーコム・nem chua rán などが盛られた盆に、紫がかったペーストが入った小鉢が必ず添えられます。店員がその場でライムを搾り、砂糖と唐辛子を加えて泡立てるように混ぜてくれる店も多く、この「混ぜる工程」自体が bún đậu の見どころの一つです。メニューに「không mắm tôm(マムトムなし)」という選択肢が書かれている店もあり、香りが苦手な旅行者への配慮がうかがえます。chả cá の店でも、香草と一緒に mắm tôm が薬味皿に添えられることがあります。単品で追加したいときは、店員に mắm tôm と一言伝えるだけで通じます。

関連語・一緒に出てくる語

ベトナム語 読み 意味 音声
bún đậu mắm tôm ブン ダウ マム トム 豆腐とゆで肉に添える北部の定番セット
mắm tôm chà マム トム チャー ゴーコン特産の練り上げ型マムトム(南部)
nước mắm ヌック マム 魚醤(マムトムより香りが穏やかな調味料)
chanh チャイン ライム(マムトムに搾って香りをやわらげる)

ミニ会話例

店員Anh chị dùng mắm tôm hay nước mắm ạ?(アイン チ ズン マム トム ハイ ヌック マム ア)— マムトムにしますか、それともヌックマムにしますか?
あなたCho tôi mắm tôm nhé, em thích mùi đó.(チョー トイ マム トム ニェー、エム ティック ムイ ドー)— マムトムでお願いします、その香りが好きなので。
店員Mắm tôm ở đây hơi nồng, chị ăn được không?(マム トム オー ダイ ホイ ノン、チ アン ドゥオック コン)— このお店のマムトムは少し香りが強いですが、大丈夫ですか?
あなたĐược, cho tôi thêm chanh và đường nhé.(ドゥオック、チョー トイ テム チャイン ヴァー ドゥオン ニェー)— 大丈夫です、ライムと砂糖を追加してください。

よくある質問

Q. mắm tôm は臭いが強いと聞きますが、旅行者でも大丈夫ですか? A. 発酵食品特有の強い香りがあり、好みが分かれるのは事実です。まずは少量から試し、苦手なら店員に「không mắm tôm」と伝えれば外してもらえます。

Q. mắm tôm と nước mắm(ヌックマム)はどう違いますか? A. nước mắm は魚を発酵させた液体の魚醤で、味付け全般に使う万能調味料です。mắm tôm はエビを発酵させたペースト状の調味料で、香りも塩気もより濃厚。用途も bún đậu など特定の料理向けに限られます。

Q. 南部でも mắm tôm は食べられますか? A. 南部の食堂で卓上に出てくることは少ないですが、ゴーコン産の「mắm tôm chà」のような加工品や、北部出身のオーナーが営む店では味わえます。

あわせて調べたい語

本記事のベトナム語表記・声調・IPAは Wiktionary と Vietnamese phonology (Wikipedia) を主要出典として編集部が照合しました。運営者情報

発音音声は合成音声(Microsoft Edge TTS・ボイス vi-VN-HoaiMyNeural)で作成しています。