「ナマズ」はベトナム語で?
Cá trê(カー チェー)の発音・使い方
公開: 2026-10-19
「「ナマズ」はベトナム語で?Cá trê(カー チェー)の発音・使い方」はベトナム語で
Cá trê
カー チェー —「カー」をすっと上げ、「チェー」は平らに伸ばすイメージで
辞書の「ナマズ」は cá trê(ヒレナマズの仲間)。日本のナマズに近いのは cá nheo 、フィレで売られる白身は cá tra や cá basa 。
「ナマズ」はベトナム語で?Cá trê(カー チェー)の発音・使い方
ベトナムの市場や食堂では、ナマズの仲間がとても身近な食材です。ただし「ナマズ」をひとことで言う語はなく、種類ごとに名前が分かれています。辞書を引くと cá trê が出てきますが、日本の川にいるナマズに近いのは cá nheo、スーパーで白身フィレとして売られているのは cá tra や cá basa。この記事では、それぞれが指す魚の違いと、店での頼み方をまとめます。
現地の人に伝わる発音のコツ
cá(魚)はサック声調(上げ)で、「カー」をすっと短く引き上げます。後ろの trê には声調記号がないのでンガン声調(平ら)。「カー↗・チェー」と、前を上げて後ろを平らに置くと形になります。
うれしいことに、この記事に出てくるナマズの名前は 後ろの語がほぼすべて平ら です。trê・nheo・tra・lăng・da trơn はどれも声調記号が付かないか、ă・ơ の母音記号だけ。cá を上げて、後ろは高さを変えずに言えば通じます。
北部(ハノイ)と南部(ホーチミン)の違い: 呼び名そのものは南北共通です。発音は違いがあり、Wiktionary の音声表記では trê が北部 [t͡ɕe]、南部 [ʈej] で、南部は「チェイ」に近く、舌を少し巻いた音になります。tra も北部は「チャー」、南部は舌を巻いた「チャー」。どちらの読みでも通じます。
ナマズの呼び分け早見表
「ナマズ」は1語では言えないので、どの魚を指したいか で使い分けます。
| ベトナム語 | 読み | 指す魚(辞書・百科の記述) | 音声 |
|---|---|---|---|
| cá trê | カー チェー | ヒレナマズ科。空気呼吸ができるナマズ | |
| cá nheo | カー ニェオ | ナマズ科。日本のナマズもこの仲間 | |
| cá tra | カー チャー | パンガシウス科。メコンの養殖魚 | |
| cá basa | カー バサ | パンガシウス科。cá tra の近縁種 | |
| cá lăng | カー ラン | ギギ科などのナマズ。北部の川に多く chả cá に使う | |
| cá da trơn | カー ザー チョン | ナマズ目全体の総称(学術・報道向け) |
それぞれの根拠は次のとおりです。
- cá trê: Wiktionary の英語 catfish の訳語に載るのはこの語。定義は "airbreathing catfish"(空気呼吸するナマズ)で、vi.wikipedia の「Họ Cá trê(ヒレナマズ科)」もエラの上の器官で空気から酸素を取り込めると説明しています
- cá nheo: Wiktionary の定義はナマズ科(Siluridae)の魚。vi.wikipedia では日本のナマズ(Silurus asotus)を Cá nheo sông Amur(アムール川の cá nheo)と呼んでいます。日本のナマズを思い浮かべて言うなら cá nheo が近い わけです
- cá tra: Wiktionary によると、南部ではパンガシウス(Pangasianodon hypophthalmus)を指し、パンガシウス科全体の総称にもなる語です
- cá basa: vi.wikipedia では cá ba sa と2語で書かれ、cá tra と同じパンガシウス科の別種(Pangasius bocourti)。メコンデルタのいけす養殖が中心です
- cá da trơn: 直訳は「肌がつるつるの魚」。vi.wikipedia でナマズ目(Bộ Cá da trơn)を指す語で、うろこがないのが特徴と書かれています
場面別の使い方(旅行シーン)
市場で: 生きたナマズをたらいで売っている店では、まず Đây là cá gì?(デイ ラー カー ジー)=「これは何の魚?」と聞くのが確実。売り手が cá trê と答えたらヒレナマズ、cá tra ならパンガシウスです。1匹買うなら Cho tôi một con cá trê.(チョー トイ モッ コン カー チェー)。
食堂で: メニューに cá trê があるかは Có cá trê không?(コー カー チェー ホン) で確認できます。小骨が気になるなら Cá này có nhiều xương không?(カー ナイ コー ニュウ スオン ホン)=「この魚は骨が多いですか」。
スーパー・社員食堂で: 冷凍の白身フィレや学食の魚料理は cá tra / cá basa のことが多いです。パックに書かれた名前を見れば、どちらかが分かります。
ミニ会話例
ベトナム文化メモ
ナマズ料理でよく知られるのが cá trê nướng riềng mẻ(カー チェー ヌオン ジエン メー)。riềng(ナンキョウ)と mẻ(米を発酵させた酸味の調味料)に漬け込んで焼く料理で、ベトナムのレシピサイトでも cá trê 料理の定番として紹介されています。ライスペーパーで生野菜と巻き、甘酸っぱいヌックマムで食べるのが一般的です。
ハノイ名物の chả cá(チャー カー) もナマズ系の魚料理。vi.wikipedia の「Chả cá Lã Vọng」によると、使う魚はふつう新鮮な cá lăng で、ディル(thì là)・ネギ・ブン(米麺)・ピーナッツ、そして mắm tôm(エビの発酵調味料)を添えて食べます。旧市街には料理名がそのまま通り名になった Chả Cá 通りがあります。
南部のメコンデルタは cá tra・cá basa の一大養殖地で、輸出用のフィレの多くがここで生産されています。旅行中にスーパーで見かける冷凍白身魚も、たどればこの地域の川魚です。
よくある質問
Q. 結局、「ナマズ」と言いたいときはどれを使えばいい? A. 辞書どおりなら cá trê ですが、指す魚はヒレナマズの仲間に限られます。種類を問わず「ナマズ目の魚」と言いたいなら cá da trơn 。ただし日常会話では魚の種類名で呼ぶのがふつうなので、市場では実物を指して Đây là cá gì? と聞くのがいちばん早いです。
Q. cá basa と cá tra は同じ魚? A. 別種です。どちらもパンガシウス科で見た目も似ていますが、vi.wikipedia では cá ba sa は他の cá tra 類と見分けやすいとされ、腹が大きく丸い体形が特徴です。
Q. cá trê の「trê」だけで通じる? A. Wiktionary によると、trê だけで書く短い形は主に書き言葉・文学的な文章で使われます。会話では cá を付けて cá trê と言うのが自然です。