rau răm とは?
ベトナム語「ザウ ザム」の意味・読み方

「rau răm」の意味

ベトナムコリアンダー(ラウザム)

rau răm(ザウ ザム)「ザウ→・ザム→」と両方を平らな高さで伸ばす

rau răm とは?ベトナム語「ザウ ザム」の意味・読み方

孵化直前のアヒルの卵 trứng vịt lộn を売る屋台の小皿に、細切りの濃い緑の葉が添えられていたら、それが rau răm(ザウ ザム)です。フォーの薬味には使われず、bún thang(ブンタン)や cháo(お粥)、そして卵料理の相棒として登場する、北部の食卓になじみの深い香草です。すでに miến lươn や gỏi đu đủ の記事でも触れた語で、香草の面ではもっとも独立した個性を持つ一つです。

この語の意味

rau は「野菜・葉物」、răm はこの植物固有の名前で、rau răm は「răm という野菜」を直訳した名前です。実態は Persicaria odorata という学名の多年草で、葉の表は濃い緑に茶色の斑点、裏は赤みを帯びるのが特徴。英語では「Vietnamese coriander(ベトナムコリアンダー)」と呼ばれますが、パクチー(ngò/rau mùi)とは全く別の植物で、名前が似ているだけで混同しないよう注意が必要です。

香りの主成分は長鎖アルデヒドで、ミントとコショウの中間のような刺激的な清涼感があります。日本にはこれに近い香草がほとんどなく、ラウザムはベトナム・タイ北部・ラオス周辺に独自の香りとして根づいた植物です。

発音のコツ

rau・răm ともに声調記号のないンガン声調(平ら)で、「ザウ→・ザム→」と高さを変えずまっすぐ伸ばすのがコツです。Wiktionary の発音表記ではハノイが [zaw˧˧ zam˧˧]、サイゴンが [ɹaw˧˧ ɹam˧˧]。声調自体は南北で変わりませんが、頭の子音がハノイの「ザ」に近い音から、サイゴンの巻き舌に寄った「ラ」に近い音へ変わる点が違いです。

北部(ハノイ)と南部(ホーチミン)の違い: rau răm という語と主な使い道は共通です。北部では bún thang や cháo lòng の薬味として定着していますが、南部でも trứng vịt lộn(南部では hột vịt lộn とも呼ぶ)に添える定番の組み合わせとして広く知られています。

どこで目にするか

屋台や市場の一角で trứng vịt lộn を売る小さな台の上に、rau răm の束と muối tiêu chanh(塩・コショウ・ライムのたれ)が一緒に置かれているのを見かけます。北部の食堂では cháo lòng や cháo gà の器に、注文後にひとつまみ散らして出す店も多く、bún thang のメニュー説明に「rau răm」と具材名で明記されていることもあります。

ベトナムには「Gió đưa cây cải về trời, rau răm ở lại chịu lời đắng cay」という民謡があり、rau răm は「一人残されるもの」の象徴として語られてきました。単なる薬味を超えた文化的な存在感を持つ香草です。

関連語・一緒に出てくる語

ベトナム語 読み 意味 音声
trứng vịt lộn チュン ヴィット ロン 孵化直前のアヒル卵(rau răm を添える定番)
muối tiêu chanh ムオイ ティエウ チャン 塩・コショウ・ライムのたれ
cháo lòng チャオ ロン 豚モツ入りのお粥(rau răm を散らす店が多い)
diếp cá ジエップ カー ドクダミ(対照的に南部で生食される香草)
cháo gà チャオ ガー 鶏肉のお粥(rau răm を散らして仕上げる)

ミニ会話例

店員Chị ăn trứng vịt lộn với rau răm không?(チ アン チュン ヴィット ロン ヴォイ ザウ ザム コン)— アヒルの卵は rau răm と一緒にしますか?
あなたCó, cho tôi thêm chút muối tiêu chanh nữa.(コー チョー トイ テム チュッ ムオイ ティエウ チャン ヌア)— はい、塩コショウライムのたれも少し追加してください。
店員Chị dùng mấy quả?(チ ズン マイ クア)— いくつ召し上がりますか?
あなたCho tôi hai quả thôi.(チョー トイ ハイ クア トイ)— 2つだけください。

よくある質問

rau răm とパクチー(ngò・rau mùi)は同じ植物ですか? いいえ、まったく別の植物です。名前に「ベトナムコリアンダー」という英訳が付いているため混同されがちですが、rau răm はタデ科、パクチーはセリ科で、見た目も香りも異なります。市場では別々の束で売られており、料理での使い道もほとんど重なりません。

rau răm は加熱しても香りが残りますか? 生のまま添えるのが基本で、加熱すると香りの角が取れて弱くなります。cháo や bún thang では仕上げに生のまま散らすのが一般的で、スープと一緒に煮込む使い方はあまりされません。

あわせて調べたい語

本記事のベトナム語表記・声調・IPAは Wiktionary と Vietnamese phonology (Wikipedia) を主要出典として編集部が照合しました。運営者情報

発音音声は合成音声(Microsoft Edge TTS・ボイス vi-VN-HoaiMyNeural)で作成しています。