「パクチー抜いてください」はベトナム語で?
Đừng cho rau mùi(ドゥン チョー ラウ ムイ)の発音・使い方

「「パクチー抜いてください」はベトナム語で?Đừng cho rau mùi(ドゥン チョー ラウ ムイ)の発音・使い方」はベトナム語で

Đừng cho rau mùi

ドゥン チョー ラウ ムイ —「ドゥン↘・チョー→ ラウ→ ムイ↘」と、1語目と最後だけゆるやかに下げる

注文時に添えるだけでパクチーを抜いてもらえる一言。南部ではパクチーを ngò(ゴー)と呼ぶことが多いので、Đừng cho ngò(ドゥン チョー ゴー) のほうが伝わりやすいことがあります。

「パクチー抜いてください」はベトナム語で?Đừng cho rau mùi(ドゥン チョー ラウ ムイ)の発音・使い方

フォーにもバインミーにもブンにも、刻んだパクチーがあたりまえのように入ってきます。苦手な人にとっては一口目で食事が台無しになりかねないので、注文の瞬間に伝えられるかどうかがすべて。この記事では、通じる発音のコツと、南部で言い方が変わる点をまとめます。

現地の人に伝わる発音のコツ

Đừng(ドゥン)は「〜するな」を表す否定の命令語、cho(チョー)は「入れる・加える」。つまり Đừng cho + 食材名 で「〜を入れないで」の形になります。この型さえ覚えれば、パクチー以外にも応用できます。

声調は、Đừng がフエン声調(下げ)、cho と rau がンガン声調(平ら)、mùi がまたフエン声調(下げ)。「ドゥン↘・チョー→ ラウ→ ムイ↘」と、最初と最後だけをため息のようにゆるやかに落とし、真ん中の2語はフラットに置きます。

Đừng の語頭 đ は、日本語の「ダ行」に近い音で、英語の th ではありません。「ドゥン」と素直に読めば通じます。rau は「ラウ」、mùi は「ムイ」と、どちらも短めに。カタカナどおりでも十分伝わるフレーズです。

北部(ハノイ)と南部(ホーチミン)の違い: 声調ではなく単語そのものが変わります。パクチーは辞書の見出し語が rau mùi で、これと同じ植物を指す別名として ngò(ゴー)や ngò rí(ゴー ジー)が辞書に併記されています。南部では ngò 系の呼び方が優勢とされ、ホーチミンやメコンデルタでは「Đừng cho ngò」 のほうが通じやすいという声が多く聞かれます。さらに ngò rí の rí は、北部だと「ジー」寄り、南部だと「リー」寄りの音になります。迷ったら rau mùi と ngò を両方言ってしまうのが確実です。

「パクチー抜き」の言い分け早見表

強く断りたいのか、少しなら平気なのかで言い方を選べると、店員さんとのやり取りが滑らかになります。

ベトナム語 読み 意味・使いどころ 音声
Đừng cho rau mùi ドゥン チョー ラウ ムイ パクチーを入れないで(基本形)
Không rau mùi ホン ラウ ムイ パクチーなしで(最短)
Đừng cho ngò ドゥン チョー ゴー パクチーを入れないで(南部)
Đừng cho rau thơm ドゥン チョー ラウ トム 香草類は入れないで
Tôi không ăn được rau mùi トイ ホン アン ドゥオック ラウ ムイ パクチーは食べられません
Món này có rau mùi không? モン ナイ コー ラウ ムイ ホン この料理にパクチーは入っていますか
Ít rau mùi thôi イッ ラウ ムイ トイ パクチーは少しだけで

rau thơm(ラウ トム)は「香りの野菜」、つまり香草の総称です。パクチーだけでなくミントやバジル系もまとめて避けたいときは、rau mùi ではなく rau thơm を使ったほうが意図が伝わります。

場面別の使い方(旅行シーン)

フォー・ブンの屋台で: 注文と同時に伝えるのが鉄則です。「Cho tôi phở bò, đừng cho rau mùi」(チョー トイ フォー ボー、ドゥン チョー ラウ ムイ=牛肉フォーください、パクチー抜きで)のように、料理名のうしろにそのままつなげます。北部の店で通じにくければ「Đừng cho ngò」 も添えましょう。フォーには香草を別皿で添える店も多く、その場合は自分で入れなければいいだけです。

バインミーの屋台で: 具を挟むそばから刻んだパクチーが乗るので、作り始める前に「Không rau mùi」 と短く言うのが確実。青唐辛子も苦手なら「Đừng cho ớt」 を続けます。ネギも避けたいときは「Không rau mùi, không hành」 とまとめて伝えられます。

レストラン・注文前の確認で: メニューの写真だけでは分からないときは「Món này có rau mùi không?」 と先に聞いてしまうのが安全です。体質として受け付けない場合は「Tôi không ăn được rau mùi」 と伝えると、店員さんも真剣に対応してくれます。

ミニ会話例

店員Anh ăn rau mùi không?(アイン アン ラウ ムイ ホン)— パクチーは入れますか?
あなたĐừng cho rau mùi nhé.(ドゥン チョー ラウ ムイ ニェー)— パクチーは入れないでくださいね。
店員Dạ, không cho rau mùi ạ.(ヤー、ホン チョー ラウ ムイ ア)— はい、パクチー抜きですね。
あなたCảm ơn anh.(カムオン アイン)— ありがとうございます。

文末の nhé(ニェー)は、依頼をやわらげる語尾です。北部でよく使われ、南部では nha や nhe に言い換えられることもあります。

ベトナム文化メモ

ベトナム料理で香草は「添え物」ではなく、味を組み立てる主役級の存在です。フォーやブンには生の香草を山盛りにした皿がついてきて、食べる人が自分でちぎって入れる——香草の量は客が決めるものという前提が共有されています。だからパクチー抜きの注文は特別なわがままではなく、店側にとっても日常的なやり取りです。

パクチー(rau mùi)以外にもよく使われる香草は多く、名前に ngò がつく仲間だけでも ngò gai(ゴー ガイ/英名 culantro、ノコギリのような葉の香草)、ngò ôm(ゴー オム)などがあります。ngò gai は mùi tàu という別名も持っていて、地域や世代で呼び分けが違うのがベトナムの香草の面白いところ。「パクチー抜き」を伝えたのに別の香草が入っていた、ということも起こり得るので、香りの強いものを全部避けたいなら rau thơm でまとめて頼むのが確実です。

パクチーが苦手なのは好き嫌いだけの問題ではなく、特定の嗅覚受容体の遺伝的な違いによって石けんのような匂いに感じられる人がいることが知られています。ベトナムでも「私はダメ」という人はいるので、はっきり断っても不思議がられません。一方で、ベトナム語で伝えられると「よく知ってるね」と歓迎されることが多く、屋台の店主との距離が縮まるきっかけにもなります。

よくある質問

Q. Đừng cho と Không、どちらを使えばいい? A. どちらも通じます。Đừng cho rau mùi は「入れないでください」という依頼、Không rau mùi は「パクチーなしで」という指定で、屋台では短い後者のほうが速く伝わります。念押ししたいときは両方言っても不自然ではありません。

Q. 少しなら食べられる、と伝えたいときは? A. Ít rau mùi thôi(イッ ラウ ムイ トイ=パクチーは少しだけで)。まったくダメではないけれど山盛りは避けたい、というときにちょうどいい言い方です。

Q. アレルギーとして伝えたいときは? A. Tôi bị dị ứng rau mùi(トイ ビ ジウン ラウ ムイ=パクチーアレルギーです)。dị ứng は「アレルギー」を指す語です。深刻なアレルギーの場合は、口頭だけに頼らずベトナム語で書いたメモを見せるほうが確実です。

Q. すでに入って出てきてしまったら? A. 屋台では作り直しを頼むより、自分で取り除くほうが現実的です。パクチーは仕上げに散らされることがほとんどなので、次からは料理名を言った直後に「Không rau mùi」注文の瞬間に言い切るのがいちばん効きます。

あわせて覚えたい関連フレーズ

所属ハブ: 味つけ・具材の調整で使うベトナム語 まとめ

本記事のベトナム語表記・声調・IPAは Wiktionary と Vietnamese phonology (Wikipedia) を主要出典として編集部が照合しました。運営者情報

発音音声は合成音声(Microsoft Edge TTS・ボイス vi-VN-HoaiMyNeural)で作成しています。