「昨日」はベトナム語で?
Hôm qua(ホム クア)の発音・使い方
「「昨日」はベトナム語で?Hôm qua(ホム クア)の発音・使い方」はベトナム語で
Hôm qua
ホム クア —「ホム→・クア→」— 2音節とも高さを変えずまっすぐ
hôm が過去側、ngày が未来側の目印。速い会話では hôm が落ちて「クア」だけになり、南部では qua が「ワ」に近く響く。
「昨日」はベトナム語で?Hôm qua(ホム クア)の発音・使い方
「昨日ここに忘れ物をして」「昨日からお腹の調子が悪くて」——旅行中に「昨日」を持ち出す場面は、思い出話よりもむしろ実務的なものばかりです。ベトナム語の「昨日」は Hôm qua。声調はどちらの音節も平らなので日本語話者には作りやすいのですが、南部では後ろの qua が「ワ」に化けるため、聞き取りのほうで面食らいます。発音のコツと、昨夜・昨日の朝といった時間帯の言い分け、旅行でそのまま口に出せる言い回しまでまとめました。
現地の人に伝わる発音のコツ
Hôm qua は2音節で、**hôm も qua もンガン声調(平ら)**です。上げ下げが一切ないので、「ホム→ クア→」と同じ高さのまま2つ並べれば形になります。声調が6つある言語の入り口としては、かなり親切な単語です。
気をつけたいのは2点あります。ひとつめは hôm の語尾 -m。日本語の「ホム」は最後に母音が残りますが、ベトナム語のここは唇をぴたっと閉じて止める音で、「ム」とは言い切りません。「ホン」と鼻に抜くと別の子音(-n)になってしまうので、閉じるのは唇だと意識してください。
ふたつめは ô の母音。日本語の「オ」より唇を丸めて奥に響かせる音で、「ホーム」と伸ばさず短く「ホム」。
北部(ハノイ)と南部(ホーチミン)の違い: 綴りも声調も南北共通ですが、qua の読みははっきり分かれます。英語版Wiktionaryの発音欄は、ハノイ・フエが [kwaː]、サイゴンが [waː]。つまり北部は「クア」、南部は頭の k が落ちて **「ワ」**に近くなります。ホーチミンで「ホム ワ」と聞こえたら、それが hôm qua です。これは qu- で始まる語に広く起きる南部の特徴。なお北部式で「ホム クア」と言っても南部でふつうに通じるので、発音は片方だけ覚えれば十分です。
昨日をはさむ時間の言い方 早見表
ベトナム語の日付語は、過去側が hôm、未来側が ngày で始まると押さえると一気に整理できます。
| 日本語 | ベトナム語 | 読み | 音声 |
|---|---|---|---|
| 一昨日 | hôm kia | ホム キア | |
| 昨日 | hôm qua | ホム クア | |
| 今日 | hôm nay | ホム ナイ | |
| 明日 | ngày mai | ガイ マイ |
引っかかりやすいのが kia です。hôm kia は「一昨日」、ngày kia は「明後日」で、同じ kia なのに指す向きが正反対。英語版Wiktionaryも hôm kia の項目に「ngày kia と混同しないこと」とわざわざ注記を置いています。ここも hôm=過去/ngày=未来の原則で切り抜けられます。
昨日の中の時間帯は、時間帯の語を qua の前に置くだけです。日本語の「昨日の朝」と語順が逆になる点だけ注意してください。
| 日本語 | ベトナム語 | 読み | 音声 |
|---|---|---|---|
| 昨日の朝 | sáng qua | サーン クア | |
| 昨日の午後 | chiều qua | チエウ クア | |
| 昨夜(夕方〜寝る前) | tối qua | トイ クア | |
| 昨夜(夜中寄り) | đêm qua | デム クア |
さらに過去へさかのぼる言い方も、ついでに拾っておくと予定の話が楽になります。
| 日本語 | ベトナム語 | 読み | 音声 |
|---|---|---|---|
| 先週 | tuần trước | トゥアン チュオック | |
| 先月 | tháng trước | ターン チュオック | |
| 去年 | năm ngoái | ナム ゴアイ |
trước は「前の・以前の」を表す語で、名詞のうしろに置いて「先〜」を作ります。ところが「年」だけは trước ではなく năm ngoái という専用の形が定着していて、ここだけ例外として覚える必要があります。
場面別の使い方(旅行シーン)
忘れ物を伝える: 「Hôm qua tôi để quên đồ ở đây.」(ホム クア トイ デ クエン ドー オー デイ)=「昨日ここに忘れ物をしました」。để quên が「置き忘れる」、đồ が「もの・荷物」、ở đây が「ここに」。カフェや宿のフロントでそのまま使えます。
同じ料理をもう一度頼む: 「Hôm qua tôi ăn món này.」(ホム クア トイ アン モン ナイ)=「昨日この料理を食べました」。món が「料理」、này が「この」。メニューや隣の席を指しながら言えば「あれと同じものを」が伝わります。
体調を説明する: 薬局や診療所で「Từ hôm qua tôi bị đau bụng.」(トゥ ホム クア トイ ビ ダウ ブン)=「昨日からお腹が痛いです」。từ が「〜から」で、いつからかを添えると症状が伝わりやすくなります。
感想を伝える: ツアーの翌日に「Hôm qua vui quá!」(ホム クア ヴイ クア)=「昨日は本当に楽しかった!」。qua が2回出てきますが、前は平らな qua(昨日)、うしろはサック声調で上げる quá(すごく)で別語です。**「クア→ … クア↗」**と2つめだけ跳ね上げてください。
ミニ会話例
ベトナム文化メモ
hôm qua の qua は、もともと「過ぎる・通り過ぎる」を表す語です。名詞のうしろに置くと「過ぎた・この前の」という意味の形容詞になり、英語版Wiktionaryもこの用法を "last (most recent)" として立て、đêm qua を例に挙げています。tuần qua(過ぎた1週間)、năm qua(過ぎた1年)も同じ型で、hôm qua は「過ぎた日」というシンプルな組み立てなわけです。
一方「去年」の năm ngoái は別系統で、ngoái は「首をうしろに向ける」という動詞。振り返る動作がそのまま「去年」の語になっています。過ぎた時間を「通り過ぎたもの」と見るか「振り返る先」と見るか、2つの捉え方が同じ語彙のなかに同居しているのがおもしろいところです。
なお「日」を指す名詞は地域で分かれます。北部の hôm に対して、中部・南部では bữa が「日」の意味で使われ(Wiktionaryも bữa のこの語義に「中部ベトナム・南部ベトナム」の方言ラベルを付けています)、「今日」を bữa nay と言う人が多くいます。
よくある質問
Q. 「昨日〜しました」に đã(過去の印)は必要? A. なくて大丈夫です。ベトナム語には動詞の時制変化がなく、hôm qua を置いた時点で過去だと決まります。đã は完了を表す助詞で、Wiktionaryの用法注記も「過去の出来事に自動的に đã が付くわけではなく、ある基準時より前に起きたことを示す語だ」という趣旨の説明をしています。旅行会話では「Hôm qua tôi ăn món này.」 のように、動詞をそのまま置けば十分通じます。
Q. 会話で「クア」しか聞こえないことがある A. それで正常です。Wiktionaryの hôm qua の項目には、速いくだけた話し方では hôm が「かろうじて聞こえる程度の鼻音になるか、完全に脱落する」という注記があり、[(m̩).kwaː] という縮んだ発音も併記されています。「今日」の hôm nay もまったく同じで、「ナイ」だけに聞こえます。頭が消えても、うしろの qua か nay を拾えば昨日と今日は区別できます。
Q. 「昨夜」は tối qua と đêm qua のどちらを使う? A. tối は夕方から寝る前まで、đêm は日付が変わる前後の夜中を指します。「昨夜みんなで食事した」なら tối qua 、「昨夜よく眠れなかった」なら đêm qua 。迷ったら守備範囲の広い tối qua で問題ありません。
Q. hôm qua は文のどこに置くの? A. 文頭が基本ですが、文末でも通じます。「Hôm qua tôi ăn món này.」でも「Tôi ăn món này hôm qua.」でも意味は同じ。まずは文頭に置く形だけ覚えておけば足ります。
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