「恥ずかしい」はベトナム語で?
Xấu hổ(サウ ホー)・Mắc cỡ(マック コー)の発音・使い方

「「恥ずかしい」はベトナム語で?Xấu hổ(サウ ホー)・Mắc cỡ(マック コー)の発音・使い方」はベトナム語で

Xấu hổ

サウ ホー —「サウ↗」をすっと上げ、「ホー↘↗」は沈めてから軽く戻す

全国で通じる基本形。南部では照れる意味の Mắc cỡ(マック コー)、頼みにくい気後れは Ngại quá(ガイ クア) と言い分けます。

「恥ずかしい」はベトナム語で?Xấu hổ(サウ ホー)・Mắc cỡ(マック コー)の発音・使い方

日本語の「恥ずかしい」は、褒められて照れるときにも、人前で失敗したときにも、何かを頼みにくいときにも使える便利な言葉です。ベトナム語ではこの3つの気持ちを、主に Xấu hổ(サウ ホー)・Mắc cỡ(マック コー)・Ngại(ガイ)の3語で言い分けます。この記事では、それぞれの発音のコツと、旅行中によくある3つの場面での使い分け、北部と南部の違いを紹介します。

現地の人に伝わる発音のコツ

Xấu hổ は2音節の語です。前半の「Xấu」はサック声調(上げ)で、「サウ」を高めの位置からすっと上げます。「x」は日本語の「サ行」とほぼ同じで、英語の「クス」のようには読みません。「âu」は口を大きく開けない短い「アウ」で、「サウ」と軽く1拍で言い切るのがコツです。

後半の「hổ」はホイ声調(下げ上げ)です。いったん声を沈めてから、最後に軽く持ち上げます。「ô」は唇を丸めた「オ」なので、「ホー」と少し伸ばしながら下げて戻すイメージにすると伝わりやすくなります。

Mắc cỡ(マック コー)は、「Mắc」がサック声調で短く詰まる音、「cỡ」がガー声調(切って上げ)です。「コー」の途中で喉を一瞬締めて切り、上げ直します。「ơ」は口を縦に開く「ア」寄りの「オ」の響きです。

Ngại(ガイ)はナン声調(短く落とす)の1音節。語頭の「ng」は日本語の鼻濁音の「ガ」(「かがみ」の「が」を鼻に抜く音)に近く、「ガイ」を低く短く落として止めます。

北部(ハノイ)と南部(ホーチミン)の違い: 語彙の差がはっきりある語です。「照れる・恥ずかしい」の意味では、北部では Xấu hổ、南部では Mắc cỡ がよく使われます。Wiktionary でも Mắc cỡ には「中部・南部」のラベルが付いています。ただし Xấu hổ は南部でも普通に通じるので、迷ったら Xấu hổ で問題ありません。発音面では、南部だと「hổ」のホイ声調が下げてから上げる動きとしてはっきり出やすく、Mắc cỡ の「cỡ」も南部ではホイ声調と同じように発音されます。Ngại は南北共通です。

3つの「恥ずかしい」使い分け早見表

日本語の「恥ずかしい」をどの気持ちで言っているかで、選ぶ語が変わります。

フレーズ 読み 気持ち・場面 地域 音声
Xấu hổ サウ ホー 恥をかいた・照れる(両方OK) 全国(北部で特に多い)
Xấu hổ quá サウ ホー クア 「ああ恥ずかしい!」と強調 全国
Mắc cỡ マック コー 照れる・はにかむ 中部・南部
Mắc cỡ quá マック コー クア 褒められて「照れちゃう!」 中部・南部
Ngại quá ガイ クア 気後れ・申し訳なくて頼みにくい 全国
Mất mặt quá マット マット クア 面目丸つぶれ(強め) 全国

ざっくり言うと、Xấu hổ は「恥」寄り、Mắc cỡ は「照れ」寄り、Ngại は「気が引ける」寄りです。Wiktionary では Xấu hổ に「恥じる・きまりが悪い」と「内気な・はにかむ」の両方の意味があり、Mắc cỡ は「内気な・はにかむ」、Ngại は「ためらう・気がかりな」と説明されています。

場面別の使い方(旅行シーン)

場面1: 褒められて照れる 食堂でベトナム語を少し話しただけで「上手ですね!」と褒められることはよくあります。照れ笑いと一緒に返すなら、南部では「Mắc cỡ quá!」(マック コー クア) が自然です。北部なら「Xấu hổ quá!」(サウ ホー クア) でも通じますが、照れを軽く表すなら「Ngại quá!」(ガイ クア) も使えます。「そんなに褒められると照れちゃう」くらいの柔らかい響きになります。

場面2: 人前で失敗して恥をかいた 市場で値段を聞き間違えた、段差でつまずいた、注文を大きく間違えた、といった「やってしまった」ときは Xấu hổ の出番です。「Xấu hổ quá!」(サウ ホー クア)と苦笑いしながら言えば、周りの人も笑って流してくれることが多いでしょう。これは「照れ」ではなく「恥」の感覚なので、南部でも Mắc cỡ より Xấu hổ のほうが合います。もっと深刻な「面目がつぶれた」は Mất mặt(マット マット=顔を失う) ですが、旅行中の小さな失敗に使うと大げさに聞こえます。

場面3: 頼みにくくて気後れする ホテルのスタッフに何度も同じことを頼む、道を聞くのに忙しそうな人を呼び止める、といった場面の「恥ずかしいんですが…」「申し訳ないんですが…」は Ngại です。「Ngại làm phiền chị quá.」(ガイ ラム フィエン チ クア=お手数かけてすみません) のように使います。ここで Xấu hổ を使うと「恥をさらす」ような重い響きになり、意味がずれてしまいます。

逆に、現地の人から「Đừng ngại!」(ドゥン ガイ=遠慮しないで) と言われることもあります。「気にせず何でも言ってね」という意味なので、遠慮なく頼んで大丈夫です。

ミニ会話例

会話1: 屋台で褒められて(ホーチミン)

店員Anh nói tiếng Việt giỏi quá!(アイン ノイ ティエン ヴィエット ゾイ クア)— ベトナム語が上手ですね!
あなたMắc cỡ quá! Cảm ơn chị.(マック コー クア カムオン チ)— 照れちゃいます!ありがとう。

会話2: ホテルで何度もお願いするとき

あなたNgại làm phiền chị quá.(ガイ ラム フィエン チ クア)— 何度もすみません。
スタッフKhông sao, đừng ngại!(ホン サオ ドゥン ガイ)— 大丈夫、遠慮しないで!

ベトナム文化メモ

Xấu hổ にはもうひとつ面白い意味があります。触れると葉を閉じる植物「オジギソウ」のことも cây xấu hổ(カイ サウ ホー)と呼ぶのです。南部では同じ植物を cây mắc cỡ と呼び、ここでも南北の語彙差がそのまま表れています。「触られると恥ずかしがって縮こまる草」という発想は、日本語の「オジギソウ」「ネムリグサ」とも少し似ていて、子どもの遊び相手としてもおなじみの植物です。

また、ベトナムには「面子(メンツ)」を大切にする感覚があり、人前で相手に恥をかかせることは強く避けられます。旅行者がお店の人の間違いを指摘するときも、大声で責めるより、笑顔で静かに伝えるほうがうまくいきます。相手の Mất mặt(面目)を守る気遣いは、日本の感覚とかなり近いと言えます。

ちなみに、形の似た「xấu」は単独だと「醜い・悪い」という意味で、悪口を言う nói xấu(ノイ サウ)にも入っている語です。Xấu hổ は「悪い+恥じる」という組み立ての言葉だと覚えると、綴りも忘れにくくなります。

よくある質問

Q. Xấu hổ と Mắc cỡ、旅行者はどちらを覚えればいい? A. まず全国で通じる Xấu hổ(サウ ホー) を。ホーチミンなど南部を旅するなら、照れる場面用に Mắc cỡ(マック コー) も覚えておくと現地らしく聞こえます。

Q. 「恥ずかしがり屋」は何と言う? A. Wiktionary には「恥ずかしがる・内気な」を表す語として Ngại ngùng(ガイ グン) が載っています。人の性格を言うなら、南部では Mắc cỡ もよく使われます。似た語に Ngượng(グオン=気まずい)もあります。

Q. 「恥を知れ」のような強い言い方は? A. 相手を責める強い表現は、旅行中に使う場面はまずありません。人を傷つける言葉や言われたときの対処は「悪口」はベトナム語で?を参考にしてください。

あわせて覚えたい関連フレーズ

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本記事のベトナム語表記・声調・IPAは Wiktionary と Vietnamese phonology (Wikipedia) を主要出典として編集部が照合しました。運営者情報

発音音声は合成音声(Microsoft Edge TTS・ボイス vi-VN-HoaiMyNeural)で作成しています。