ベトナム語の「đ」と「d」の違い|日本人が最も間違える発音

「ベトナム語の「đ」と「d」の違い|日本人が最も間違える発音」はベトナム語で

đ / d

ドゥ/ズ・ユ —đ は日本語のダ行に近く、d は北部でザ行・南部でヤ行

文字の名前そのものが好例。Đ は「đê(デー)」、D は「dê(ゼー/イエー)」と読み、これは堤防を意味する đê と、ヤギを意味する dê の綴りと同じ。

ベトナム語の「đ」と「d」の違い|日本人が最も間違える発音

ベトナム語のアルファベットには、棒が1本ついた đ と、ふつうの d という見た目のよく似た2文字があります。日本語話者の耳にはどちらも「ダ行」に聞こえてしまいがちですが、ベトナム語ではまったく別の子音で、しかも d は地域によって読み方まで変わります。

結論

đ は南北共通で日本語の「ダ」に近い音。d は北部でザ行、南部でヤ行に変わる、đ とは無関係の子音です。 同じ「ダ」で済ませると、別の単語として聞こえてしまうことがあります。

音の説明

Wiktionary の発音表記では、đ は [ɗ](入破音=喉を軽く締めてから息を弾ませて出す破裂音)とされ、ハノイ・サイゴンともに [ʔɗ] とほぼ同じ調音です。日本語のダ行 [d] とは喉の使い方が違いますが、聞こえ方としては最も近い音なので、カタカナ「ダ」で覚えて実用上問題ありません。

一方 d は、北部(ハノイ)で [z](ザ行)、**南部(ホーチミン・サイゴン)で [j](ヤ行)**という、đ とはまったく別系統の音になります。同じ「d」の文字なのに、地域によって出てくる音がザ行かヤ行かで割れる点が、ベトナム語の子音のなかでも独特です。

なお文字の名前自体もこの2音を体現しています。Đ は「đê(デー)」、D は「dê(北部ゼー・南部イエー)」と読み、これはそれぞれ「堤防」を意味する đê、「ヤギ」を意味する dê という実在の単語と同じ綴りです。

北部と南部の違い

đ は北部・南部でほぼ差がなく共通です。差が出るのは d のほうで、北部はザ行、南部はヤ行とはっきり分かれます。この規則は d だけでなく、gi- で始まる語(gì=何、など)にも同じように効きます。

実例

ベトナム語 意味 北部の読み 南部の読み 音声
đâu どこ ドウ ドウ
dâu 桑の実・花嫁 ズウ ユウ
đê 堤防 デー デー
ヤギ ゼー イエー

đâu と dâu、đê と dê は、母音がまったく同じで先頭の子音だけが違う組です。đ か d かの一点で意味が変わることが、この表からわかります。

間違えると何が起きるか

日本語話者が d を無意識に「ダ」で発音すると、d の語が đ の語と同じ音になり、別の単語として聞こえてしまいます。たとえば「どこですか」のつもりで đâu を使う場面で、d 側の dâu(花嫁・桑の実)の発音のクセが出ると、聞き手は一瞬「桑の実の話?」と受け取りかねません。逆に「ヤギ肉」(thịt dê)を注文するつもりが、d を強く「ダ」寄りに出してしまうと đê(堤防)に寄って聞こえ、店員が意味を取り違える可能性があります。日常会話では文脈で察してもらえることが多いものの、d を見たら「ダ」を使わないと決めておくと、聞き分け・言い分けの両方で迷いが減ります。

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本記事のベトナム語表記・声調・IPAは Wiktionary と Vietnamese phonology (Wikipedia) を主要出典として編集部が照合しました。運営者情報

発音音声は合成音声(Microsoft Edge TTS・ボイス vi-VN-HoaiMyNeural)で作成しています。