mặn の意味は?
ベトナム語「マン」の使われ方

「mặn」の意味

しょっぱい

mặn(マン)「マン↓」とナン声調で短く強く落とす

mặn の意味は?ベトナム語「マン」の使われ方

食堂で味の感想を伝えるときや、精進料理の話をするときに何度も出てくるのが mặn(マン)です。基本の意味は「しょっぱい」ですが、料理の文脈では「肉や魚が入っている」ことを指す場合もあり、単純に塩気の強さだけの語だと思っていると意味を取り違えることがあります。

この語の意味

mặn は第一に「塩味がある・しょっぱい」という意味の形容詞です。塩や魚醤(nước mắm)を効かせた味付けを指し、味が濃すぎるときにも「mặn quá」(しょっぱすぎる)のように使います。

ここで注意したいのが、mặn には「肉・魚が入っている」という食材面での意味もあることです。ベトナム語では精進料理を食べることを ăn chay、肉や魚が入った普通の食事を食べることを ăn mặn と呼び、この2語は対になる表現として日常的に使われます。vi.wiktionary の説明では、この使い分けを示すことわざとして「Ăn mặn nói ngay hơn ăn chay nói dối」(正直に肉を食べる方が、嘘をつきながら精進料理を食べるよりましだ)が挙げられており、mặn が単なる塩加減の話ではなく「動物性の食材が入っているかどうか」を示す語であることがわかります。

発音のコツ

mặn はナン声調(短く強く落とす)です。「マン↓」と喉を締めるように短く強く音を落とすのがコツ。Wiktionary の発音表記ではハノイが [man˧˨ʔ]、サイゴンが [maŋ˨˩˨] で、声調の落とし方自体は共通ですが、語末の鼻音がハノイでは -n(舌先で止める「ン」)、サイゴンでは -ng(喉の奥で響く「ン」)に変わります。これは南部方言に広く見られる語末鼻音の変化の一例で、ngọt の語末子音(-t と -k)が地域で変わるのと同じ系統の違いです。

北部(ハノイ)と南部(ホーチミン)の違い: 発音は上記の語末鼻音の違いだけで、基本の音の型は共通です。一方、mặn という語が指す料理の実態には明確な南北差があります。屋台の定番おやつ bò bía には mặn(惣菜系)と ngọt(菓子系)の2種類があり、報道によれば bò bía ngọt(水飴とココナッツを巻いた甘い菓子タイプ)は北部で親しまれてきたのに対し、bò bía mặn(卵焼き・中華ソーセージ・干しエビなどを巻いた惣菜タイプ)は南部の代表的な屋台おやつとして知られています。同じ bò bía でも、mặn という一語がつくだけで「南部式の具入りタイプ」を指すようになるわけです。

どこで目にするか

もっとも身近な場面は、食後に店員から聞かれる「Món này có mặn không?」(この料理はしょっぱいですか)や、自分から伝える「Hơi mặn」(少ししょっぱい)といった味の感想です。もう一つ重要な場面が、bò bía の屋台や軽食メニューで「Mặn」「Ngọt」の2択が並んでいるときです。ここでの mặn は塩気の強さを表しているのではなく、「卵焼きや中華ソーセージなどの具が入った惣菜タイプ」を意味するラベルとして使われています。

精進料理店(quán chay)の看板やメニューでは、逆に ăn mặn という言い方で「精進ではない通常の食事」を指すことがあり、「không ăn mặn」(肉・魚を食べない=精進を続けている)という表現も会話に出てきます。味の濃さを調整したいときは、店員に「Cho tôi bớt mặn một chút」(塩を少し控えめにしてください)と伝えれば対応してもらえます。

関連語・一緒に出てくる語

ベトナム語 読み 意味 音声
Ngọt ゴッ 甘い(mặn の対になる味)
ăn mặn アン マン 肉・魚入りの食事をとる(精進の対義)
bò bía mặn ボー ビア マン 具入りの惣菜系ボービア(南部の屋台名物)
bớt mặn ボッ マン 塩を控えめに(注文フレーズ)

ミニ会話例

店員Chị ăn bò bía mặn hay ngọt?(チ アン ボー ビア マン ハイ ゴッ)— ボービアは具入り(mặn)と甘い方(ngọt)、どちらにしますか?
あなたCho tôi loại mặn nhé.(チョー トイ ロアイ マン ニェー)— 具入りの方をください。
店員Món này hơi mặn, chị ăn được không?(モン ナイ ホイ マン、チ アン ドゥオック ホン)— この料理はちょっと塩気強いですが、大丈夫ですか?
あなたDạ được, nhưng cho tôi bớt mặn một chút.(ザー ドゥオック、ニュン チョー トイ ボッ マン モッ チュット)— 大丈夫ですが、少し塩を控えめにしてください。

よくある質問

Q. mặn は「しょっぱい」だけの意味ですか? A. いいえ。塩加減としての「しょっぱい」に加えて、料理の文脈では「肉・魚が入っている」という食材面の意味でも使われます。ăn mặn(肉魚入りの食事をとる)は ăn chay(精進料理を食べる)の対義語として日常的に使われる言い方です。

Q. bò bía mặn と bò bía ngọt はどう違いますか? A. mặn は卵焼きや中華ソーセージなどの具が入った惣菜タイプで南部の屋台名物、ngọt は水飴とココナッツを使った甘い菓子タイプで北部でよく見られるものです。同じ料理名でも中身がまったく違います。

Q. 味が濃いと感じたときは何と言えばいいですか? A. 「Cho tôi bớt mặn một chút」(塩を少し控えめにしてください)と伝えれば、多くの屋台や食堂で調整してもらえます。

あわせて調べたい語

本記事のベトナム語表記・声調・IPAは Wiktionary と Vietnamese phonology (Wikipedia) を主要出典として編集部が照合しました。運営者情報

発音音声は合成音声(Microsoft Edge TTS・ボイス vi-VN-HoaiMyNeural)で作成しています。